本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年8月10日

 八月十日 月 (箱根) 今日ハ久し振の上天気だ 朝隣部屋の加藤氏兄弟が立たれた 其あと午後ニ為つて白耳義ニ来て居た村瀬が家内引連で来て占領した 仕事ハ午前ニハ小代と橋から山の方を向て写生した これも出来そこなつた 午後ハ湖水と二子山を写した 今日合田 菊地 佐野等から面白い手紙が来た 今夜寝床ニ這入つてから其返事を小代と二人でかく 今日は又夕めし前ニ水あびをやらかした

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