1892(明治25) 年11月21日
十一月二十一日 月 曇で寒し 古巣の神さんがばらの花の立派ナノヲ見事ナ籠ニ入れて鞠の内ニ持て来て置て呉れた 難有仕合也 朝も昼後も其ばらの花を描く 夜食後鞠ヲ奴等の内迄送て行てから古巣氏の内ニ礼を云ながら夜話ニ行く 十時半頃迄話して帰る 古巣が貸して呉れた本ヲ見て十二時過ニネる
本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
十一月二十一日 月 曇で寒し 古巣の神さんがばらの花の立派ナノヲ見事ナ籠ニ入れて鞠の内ニ持て来て置て呉れた 難有仕合也 朝も昼後も其ばらの花を描く 夜食後鞠ヲ奴等の内迄送て行てから古巣氏の内ニ礼を云ながら夜話ニ行く 十時半頃迄話して帰る 古巣が貸して呉れた本ヲ見て十二時過ニネる