本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年11月16日

 十一月十六日 水 朝新二郎へ出す手紙ヲ書く 昼後ハ例の如ク庭で夕方迄仕事す 今日ハ曇天気だがあたゝか也 昼後の便で寺尾君からお金が返へして来た 四時十五分頃丁度画をやめ様として居る処ニ和郎とブツフアールと舟で迎ニ来た一緒ニチヤドウイクの明屋敷を見学す 和郎が内ニ来て七時迄話す 夜食後美陽方ニて寿とカルタを取る 八時頃ニ鞠 美天 寿等を門口迄送て行てから墓場の上の方を散歩しのぐる 内へ帰つてから茶碗皿の洗ヒ方をやらかす 今日小僧ニ端書で Ecole des Artist metiers の規則書を貰て送て呉るゝ様ニ頼でやる 新二郎の為也

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