本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年11月13日

 十一月十三日 日 酒一本と缶詰の海老を持て鞠方へ昼めしを食ヒニ行く(めし前ニ一時間半程ケシの花を研究す) 二時の汽車ニ和郎を迎ニ行 和郎来らず 村へ帰つて鞠方にて奴類寿が大きなブロツシエ魚を釣り上げるのを見た 五時ニ又気車ニ迎ニ行く 今度ハ来た 一緒ニ宿屋で食事ス 九時過ニ別れて内ニ帰る 留守に鞠連がおみき頂ニきたと書置がして有つた 内へ帰て居たら又やつて来た 二三分間がやがやつまらネえ笑ヒ話シナドシテ行て仕舞上つた 鞠の内の門口迄送て行て帰る 時ニ十時半也 今日ひる後ニ久米公からの端書受取 古巣にやつた本の事の返事也

to page top