1904(明治37) 年11月27日

午前伊東に診察の際自転車売物の事を話す。其内に見に行くといつた。午後婚礼の贈物を探しに銀座まで鳥打帽子を冠つて行つた。新橋の勧工場に入つて見たが何も感服するものはない。芝口の鰹節屋にはいり糸巻の飾り物を見て之を約束す。お安く上つて仕合せである。夫より電車の中丸の処に廻り伊東の事を話す。此間の金の具面先を白状した。随分変てこな訳柄である。暮れ過に帰宅する。

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