1904(明治37) 年11月16日

今日は天気であつたから一ツ橋から上野への掛持は甘く行つた。併し昨夜全く下た見をする暇がなかつたから前膊骨の講義は大にまづかつた。今日合田の話で校長が帰つた事を知つた。一昨日かに横浜に着いたという事なり。三時半過一寸逢つた。帰宅後入浴して居ると佐野と小代がやつて来て三田に喰ひに行こうというので余儀なく支度をして出掛る。暫くして菊地も来る。珍らしく三人分の肉を平らげた。割り前は六拾一銭五厘なり。帰りは皆んなで集る。菊地は例のアルコール元気で開戦を促したが今夜は少しでも割増しでおとつさんの声も出なかつたのは先々大出来。

to page top