本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1897(明治30) 年3月13日

 三月十三日 土 モデルは来たが病気で一両日休むと云事で帰る 昼後ニ平岡八郎氏が見へた 大橋乙羽氏も来 世界の日本の中島元次郎氏も来た 四時過ニ安藤が来 間もなく佐野が来 又大熊が来た 安 佐の二人と伊豆屋でめし めし後安と浅草へ走りしばらく遊で又走り帰る 十一時ニ内へ着く 今夜向ニ居る内ハ頭が非常ニいたく閉口した 今夜ハ又一種不思議な者を見た 小説の種ニハ必ず妙也

to page top