本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1897(明治30) 年3月9日

 三月九日 火 雨 学校ニ出る前ニ加治木氏が来て暫時応対した 学校から安藤 菊地 藤島の三人と上野の下の紫草館で昼めしを食ひ後安藤と目金まで歩いて来た 内へ帰つて雨がしよぼしよぼ降るのに木植の下知などした 其内ニ夜ニなつた 母上と一緒ニめしを食ひそれから平田泰輔氏へ出す手紙をかき明日から始める画の下画などを考へたり唐詩選など読で居る内ニ早十二時ニなつた 今日又杉の処から小説が一冊届いて来た Le Jardin Décret

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