本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年12月6日

 十二月六日 火 朝起て見たら向の屋根ニ雪が少し積で居た 仕事部屋ニ十時頃ニ行たら和郎が来て書物をして居た 昼後ハ画かき部屋で霜菜を手本として夕方迄勉強 和郎と一緒に内へ帰つたがナンダカびんたが少し痛イ様で気分悪し クタビレし心地す 和郎英語の新聞をしきりに翻訳シテ読で聞かす 夜食後美陽家ニ一寸行く 鞠等送て行てから宿屋ニ行き和郎 ブツフアールとラム酒ヲ飲む 今夜皿ナドの洗方ヲする積だつたが気分が進まぬので其儘ニして置てネて仕舞た

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