本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年12月14日

 十二月十四日 水 朝松方君の英国からの手紙が着た 今日リベルプールヲ出る舟で亜米利加へ出発との事也 返事ヲスル暇の無いのハいかニも残念至極 昼後鞠 霜菜ヲ相手ニ仕事スル事如昨日 貧 久米公等からの手紙手ニ入る 和郎仕事部屋ニ来て居て手本等としやべる 仕事がすんでから和郎とマルロツトの街道ヲ散歩ス 夜食後和郎の処ニ出懸て行て話す 葡萄酒のぬくめたのなど飲む 今日宿屋で和郎の下宿料十五日分ヲ払ふ 安心 昨夜ハ豆茶ヲ飲だせへか四時頃迄ねむられなかつたから今夜ハ早々と十一時頃ニ床ニ入る

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