本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年8月25日

 八月二十五日 木 天気悪し 朝十時頃から昼迄画ヲかく ひる後も五時頃迄かく 七時の汽車で立ツ 巴里の御本城ニ帰て見ルト桜田からの端書島よりの端書それから小学校の友達のウードワアードからの手紙と着て居た 桜田ハいよいよイギリスへあした立テ行テ仕舞ふとの事 島でハ無事オレの行くのを待て居る様子 ウドワアードは此頃亜米利加から出て来て居ルカラオレが巴里の近所ニ居るなら是非逢ヒ度いとの事也 手紙ヲ読だりかれこれして居る内ニ十時頃と為る 乗合ニ乗て桜田の方へ行 今夜ハなんだか非常ニくたびれて居ル 行くのハいやだがあしたの朝早く立て行クナダツタラ逢へずに困る

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