本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年8月20日

 八月二十日 土 おひるごぜんニ桜田君ト牛鍋ヲこしらへて食ふ 午後三時より七時過迄釣りと画かき 晩めしヲこしらへて居ル処ニ宿屋の老婆ヲ案内に連れて曾我が来ル ひるのめしの牛の残り中にめしの残りヲ入れて煮ておかずとし別ニめしヲ少したいて曽我と一緒ニ食ふ 食後九時半頃ニ桜田がやつて来ル 三人連で少しく散歩し又宿屋ニ行て巴里から来て居ル極々すれつからしの手本サラブルーンニ酒などのまして笑ふ 宿屋ニハ部屋が無いので曽我ハ内ニ来てねる

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