1920（大正9） 年9月16日
九月十六日 木 （鎌倉） （欄外 出京 宮内省 松方侯夫人告別式）
本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
1920（大正9） 年9月18日
九月十八日 土 晴 （鎌倉） （欄外 上野美術学校 御写真部並調度寮）
1920（大正9） 年9月19日
九月十九日 日 晴 （欄外 三浦博士肖像画着手第一回 東京泊）
1920（大正9） 年9月20日
九月二十日 月 晴 （欄外 研究会 有楽座 東京泊）
1920（大正9） 年9月21日
九月二十一日 火 晴 （鎌倉） 午前十時半頃廣岡惠三氏来訪 更ニ壁面ノ寸法書ヲ受取ル
1920（大正9） 年9月22日
九月二十二日 水 晴 （鎌倉） （欄外 飯倉徳川侯邸小集）
1920（大正9） 年9月23日
九月二十三日 木 晴 （鎌倉） （欄外 三浦氏第二回）
1920（大正9） 年9月24日
九月二十四日 金 午前晴 後薄日 （鎌倉） 午後四時頃ヨリ斧山ヲ連レテ海浜ニ出薄日ノ海ヲ描ク 海岸ノ写生ハ久シ振ナリ
1920（大正9） 年9月25日
九月二十五日 土 午前雨 後半晴 夜雨 （鎌倉） 午後一時四十七分発出京 午後八時四十分新橋発帰鎌 文房堂ニ寄リフヰキサチーフヲ求メ三浦氏ヲ出テ一旦帰宅 例ノ如ク握飯ヲ食シ諸般ノ用事ヲ岡及ビ新納ニ頼ミテ去ル
1920（大正9） 年9月26日
九月二十六日 日 曇 （鎌倉） 案山子ヲ主題トセル図ヲ思ヒ立チタレドモ未ダ適当ナル背景ヲ見出サズ 併シ写生用トシテ切角畠ニ立タセタルモノヲ此儘ニスルモ惜ク思ヒ居タルニ雲ノ模様面白ク見エタルヲ利用シテ案山子入ノ一小図ヲ画ケリ 蓋シ臨時ノスケツチニ過ギズ
1920（大正9） 年9月27日
九月二十七日 月 曇 （鎌倉） 午前八時二十二分発出京 入邸 調度寮 西溜ニテ綴レノ下絵ヲ観批評ヲナシ十二時ニ至ル 内匠寮 寮頭及事務官ニ来一日ノ事ヲ約シ御写真場ニ寄リ一時過海軍省ニ秘書官三浦省三大尉ヲ訪ネ東郷元帥ノ肖像画揮毫ノ件ニ付返答ヲナス 帰宅 午食ヲ取リ自動車ニテ二時半ヨリ上野ヘ赴ク 二科会 日本美術院展覧会及谷中日本美術院特別陳列（セザンヌ ルノアール ロダン等）ヲ巡覧シ石川確治君 山本鼎君等ニ遇ヒ四時駿河台三浦邸ニ到ル 本日ヨリ油絵ニ掛ル 七時四十分鎌倉ニ着ス
1920（大正9） 年9月28日
九月二十八日 火 曇 （鎌倉） 武者小路子爵本日出発ノ趣新聞ニ見エタレバ汽船ヘ向ケ送別ノ電報ヲ発ス 午後太田氏作品ヲ持参ス 四時半頃ヨリ写生ニ出掛ケ夜ニ入リテ帰ル 由比ケ浜ニテ二図ヲ獲タリ
1920（大正9） 年9月29日
九月二十九日 水 曇 （欄外 帰京）
1920（大正9） 年10月2日
十月二日 土 （欄外 三浦氏第五回）
1920（大正9） 年10月6日
十月六日 水 （欄外 三浦氏第六回）
1920（大正9） 年10月13日
十月十三日 水 （欄外 三浦氏第七回）
1920（大正9） 年10月15日
十月十五日 金 （欄外 三浦氏第八回）
1920（大正9） 年10月17日
十月十七日 日 （欄外 三浦氏第九回）
1920（大正9） 年10月19日
十月十九日 火 （欄外 三浦氏第十回）
1920（大正9） 年10月20日
十月二十日 水 曇 夜小雨 自動車ニテ馳セ回ル（照子 常次同伴） 午前十一時過ヨリ午後一時マデ美術学校 正倉院拝観願提出 研究科生徒ニ報告書ニ関スル説明ヲナス 半時間許帝展 山出シノ少年陳列品ニ手触レタル事件アリ事務所ニ意見ヲ述ベ置ク 三越ニ寄ル 友禅斎ノ陳列アリ 常磐木倶楽部ニ杏芬女史 呉昌碩等ヲ観ル 六時半ヨリ八時半丸ノ内中央亭ポマレード氏送別 十一時半迄兼清ト語ル