1892(明治25) 年10月5日


 十月五日
 二時半頃大雨 大騒で額など内ニ取り入る 庭ニ人来り窓よりのぞく 煙草屋のむこ也 オレが鞠屋とカナツペへ座て居たので驚た風ニて直に立去る 之レニ付てハ色々色事流の奇談が村ニ出来るなる可し 鞠屋ニ取て気の毒ナレドモ仕方ハネへや どう為るか知らん 時の立のを待て笑ふ可し

同日の「久米圭一郎日記」より
朝ノ内ハ曇ツタ様ニシテ居ルカラ潮干ニ行ツテヤツタラ屎ベラ棒メ天気ニナリヤカツタ 併シ昼後ハ又イヤナお天気サ十月五日