1904(明治37) 年6月27日


 六月二十七日 月 晴 暑サ強シ
 本日モ御体温七度八分ニ達ス 真ニ不思議ナリ 本日ハ暑サ殊ノ外強ク土用中ノ如クナルヲ以テ井田女ヲ断リ草取ノ図ヲ描ク 日光ノ強ク樹木ナドヲ射ル様子ヲ写サンガ為メナリ 夕刻ヨリ青山ノ芳子殿 徳子殿同道来訪 十時半迄談話

同日の「久米圭一郎日記」より
今日は久し振にて霖天晴れ夏景色になる。蝉の声を始めて聞いた。朝金次郎が来て夜食に来いという目黒の使を伝へた。午後五時頃から乗輪大崎村に行く。例のサラード及炙り肉の御馳走になり、パヽは御機嫌、すみは腸加答児にて憐れなさまである。九時半頃まで表の坐敷で話した。夜中暑気はげしく蚊が出る。六月二十七日