本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1904(明治37) 年6月14日

 六月十四日 火 本日ハ留守中ニ小西氏来診 少シモ異状ナキ旨被申タル由也 午前十時過登校 間モナクBernay氏兄姉参観 直チニ校長ニ紹介シ同道ニテ木彫牙彫蒔絵等ノ諸科ヘ案内十二時半頃ニ至ル 夫レヨリ校長ト洋画科定員ノ事ニ就キ相談シ百二十八名ト確定ス 又諸生ト展覧会始末ノ事ヲ協議セリ 二時前少シ前藤 長 中ノ三氏ト精養軒ニ到リ昼飯ヲ喫ス 後暫ラク雑談 四時頃前記三氏ト共ニ好古会展覧会ヲ覧ル 清国古図江戸古図等面白シ 夕刻帰宅 静子殿来合セ居リタリ 夜食後斎藤氏ト遺事録中ニ挿入スベキ写真ノ題辞選択ニ従事十一時過ニ至レリ 十二時頃寝室ニ入ル 本日夕刻号外デ眞崎安一君ノ戦死ヲ知ツタ

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