1904(明治37) 年5月5日 Thursday


五月五日 木曜

曇天のため電車にて登校す。五時半過帰宅すれば一昨日学校にて面会せし帝国文学会幹事といふ近視眼の学生待合せて居た。来二十一日講話の題は「戦争と芸術」といふことに取極める。種々雑談の後に帰る。今日は端午節にて菖蒲湯に入る。浴後晩くなり、夜食中に佐野来。節句にて夜なべは休んだといつた。岩村のアンタンションを話したるに頗る満足した。後こまも同席十一時半に至る。

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「1904/05/05 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/871266.html(閲覧日 2024-04-26)

同日の「黒田清輝日記」より
 五月五日 木 雨 午後曇
 午後三時頃小西氏来診 今迄三時間毎ニ御体温ヲ検シ来リシニ本日ヨリ只朝夕ノ二回ノミニテ足ル事トナリタリ 本日ハ朝ヨリ少シ頭痛ノ気味ナリシユヘ度々庭ニ出テ散歩ヲナシ又鳥ノ「クロツキー」ナドヲ試ミ力メテ呑気ニヤリタリ 其御蔭ニヤ夕刻ニ至リ平癒セリ 夜ハ櫻井ヲ相手ニ針金ニテ「クロツキー」用ノ画架ノ細工ヲナス 指ノ頭ヲ痛クシタレドモ左程ニ良キ機械ハ出来ズ 十一時半頃寝室ニ入ル
五月五日 木 雨 午後曇