1900(明治33) 年6月25日
六月二十五日 (欧洲出張日記) 先月の今日日本を立つたのだが考れバ随分長い道中だ 今日も寒暖計は三十五度だ 明日船でお祝をやると云ふ事で其祝の番附の表紙の画をオレにかいてくれと云ふので午後其画をかいた 又先日水葬された男の遺族へ贈る為めに寄附金を募つて居たから夫れに日本人一同で加入を申込で一人で十仏づゝ出した 夜青山 佐藤 岡崎の三氏と共に二十一をやつて十一時まで遊んだ ヂブーチからついて来た鳥が今日は全く見えなく為つた
本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
六月二十五日 (欧洲出張日記) 先月の今日日本を立つたのだが考れバ随分長い道中だ 今日も寒暖計は三十五度だ 明日船でお祝をやると云ふ事で其祝の番附の表紙の画をオレにかいてくれと云ふので午後其画をかいた 又先日水葬された男の遺族へ贈る為めに寄附金を募つて居たから夫れに日本人一同で加入を申込で一人で十仏づゝ出した 夜青山 佐藤 岡崎の三氏と共に二十一をやつて十一時まで遊んだ ヂブーチからついて来た鳥が今日は全く見えなく為つた