本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1895(明治28) 年2月13日

 二月十三日 (従軍日記) □□□□(原文不明)始メテ万国丸ニ乗移る事と為る 六時頃寺内氏乗船 直ニ出航ス 今度も亦人夫と同席スル事と為る 今度の人夫ハ大抵淡路の者共ニテ此の船の雇人足なれば丸山氏トオレの為メニ此の下等中の一番いゝ場処をゆづり旦那方と云て尊敬ス そうしてねると云段ニ為たら珍らしそうニ大勢枕本ニ集つて来てケツトなど広げるのを見てナントカカントカしやべつて居る体ろうやニはいつた時か又ハ博徒の仲間入でもした時ハこんなものかと思ハる 併し鶏頭至極結構也 めしハ水夫連と一緒ニして中々いゝものを食ハす 兵庫丸の時ニ比ぶれバ上等也

to page top