五月二十九日附 グレー発信 母宛 封書 みなみなさまおんそろひおげんきのはづおんめでたくぞんじあげまいらせ候 わたくしことハだいげんきにてべんきようをいたしてをりますからごあんしんくださいまし このごろハやつぱりいなかニをりますがまいにちおてんきがわるいのでそとでおもふようニべんきようをすることハできませんよ こんどハなんニもかいてあげるほどのことハございませんよ こないだひまのときニまたまたくさぞうしのつゞきをすこしうつしましたからおくつてあげます まだなかなかかんぢんなおもしろいところニハいきませんよ またそのうちニつゞきをかいてあげます けふまたしんぶんニでたにつぽんのじゆんさがろしやのひとをきるところのゑをおくつてあげます こちらのやつハにつぽんのじゆんさがどんなようすをしてをるかさつぱりしらないのです それからしんぶんニかいてあるのニハそのじゆんさのやつがふいニろしやのひとニきりかけたところがそのろしやのひとのいとこのぎりしやといふところのひとがつゑでそのじゆんさをうちたをしてしまつたとかいてございます いくぢのないじゆんさですねへ せつかくいのちをはめてやるのニつゑで一とうちニうちたをされるなんかんといふのハまことニこまりますよ こんどハこれぎり めでたくかしこ 母上様 新太拝 せつかくおからだをおだいじニなさいまし めでたしめでたしめでたしめでたし
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一月五日 水 晴 午前十一時四十分参内千種ノ間ニ於テ酒饌ヲ賜フ 午後奧座敷ニ籠リ兼清ト酒食シ又蓄音器ニテ浪華節ヲ聴ク