五月二十日附 パリ発信 母宛 封書 (前略)こんどのびんでゑもいろいろおくりました ゑハみんな父上様にさしあげますのです にほんでハてほんのいゝのがないのにハなニよりのこまりたろうとぞんじます 四五日まへにわたしのゑのせんせいのいなかニあそびニいきました せんせいハこのごろハぱりすからてつどうばしやで三十分ばかりかゝるしづかなところニひつこんでをりましておんなのてほんをたのんでゑをかいてをります うらやましいことです またじぶんのたのしみニいろいろめづらしいはなをうへつけてをります わたしがたつときにハめづらしいはなのたねなどをくれるとゆつてをります せんせいはもうことしで四十四五になりますがなかなかきぶんのひとニていろいろおもしろいはなしなどいたします(中略) あめりかにながくひつかゝりさへしなけれバ八月にハおめにかゝることができます(後略) 母上様 新太拝
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二月二十七日 金 曇 夜雨 (欄外 補欠候補当選 蜻蛉晩餐会)