1914(大正3) 年3月2日


 三月二日 月 雨 (鎌倉)
 午前中曇天 諸職人来邸セシモ午食時後雨降出テ皆仕事ヲ止メテ去レリ 四時頃ヨリ武晴ヲ連レテ佐介荘ニ伺候ス 父上様少シク御気分宜シキ様承ル 御床上ニテ拙作御覧被下タリ 夜ニ入武晴ヲ残シテ乱橋ニ帰ル
  湖上船
 芦のうみはしる小舟はかけうつるふしの高嶺を越えて行くらん