五月三日附 パリ発信 母宛 封書 (前略)くめさんのしつてをるひとがちかぢかのうちににつぽんへかへるそうですからそのびんからわたしががつこうでかいたゑをおくつてあげます さくねんぢうからことしにかけてかいたのです みんなおとこやおんなのはだかぼです(中略) この二三日うちにがつこうのともだちのあめりかじんといぎりすじんと三にんづれでまたいなかにゆき一しゆうかんばかりとまつてくるつもりです いなかではひやくしようやだのきだのかわだのゝゑをかくのですからなかなかたのしみになりまたけいこになります こんどハまづこれぎりにしたします めでたくかしく 母上様 新太拝 せつかくおからだをおたいせつになさいまし みなさまへよろしく
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本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
五月二十五日 日 晴 花壇ノ一部ヲ写ス(午後四時頃ヨリ)