本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1918(大正7) 年9月29日

 九月二十九日 日 驟雨(鎌倉) 勇助来リテ庭ニ散歩道ヲ造ル 島田卓二午前十時前入来 続テ本田雄五郎君紹介ノ松尾松濤ト云フ人来ル 二人トモ文展ノ出品ヲ持参ス 来客ノ為時刻少ク遅レテ四時過ヨリ聴雪荘ヘ出向キ七時前帰宅ス 玄関ニ吉田健夫ノ画布アリ 是モ亦文展向ナリ 九時迄語レリ 今夜枕頭ニ一種美音ノ虫声ヲ聴ク

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