1892(明治25) 年2月26日


 二月二十六日附 グレー発信 母宛 封書
 (前略)わたしハいつものとふりたつしやでべんきようをいたしてをります このごろハまだきようしんくわいのゑをかいてをります なかなかむづかしいのでひまがかゝります この十五日ばかりといふものハやどやニハさつぱりいきませんでうちでたべものをこしらへてたべてをります わたしのてほんニなつてくれるやつがかいものもしてくれまたりようりもこしらへてくれますからしあわせです(後略)
 母上様  いなかより 新太拝

同日の「久米圭一郎日記」より
昼前ハ日曜稽古ノ下タ調ベデモヤツタ 夫レカラ午後ハ例ノ林屋ノ日雇取リニ為ツタ 浮世ナリケリ二月二十六日