五月二十七日 (欧洲出張日記) 朝から雨で瀬戸内のいゝ景色は一切見えない 四時頃ニ赤間ケ関の前ニ来た フアーブル・ブラント氏が御維新前の話などしてあすこに長州の陣の有つた処だなどと指示してくれた 白い幕ニ黒い丸をかいて外人ニ大砲と見せる積でやつて居つたなどハ随分可笑い話だ 夜の入らぬ内ニ瀬戸を通り抜けて仕舞つた 今日は雨の上ニ風も少しあるから玄海でハかなりゆれるだらうと思ふ 今晩の食事ニはエイマールの兄弟の頭の者が一人とオレと二人切りだ
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三月二十一日 月 久米出発八時半