本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1904(明治37) 年5月2日

 五月二日 月 雨 寒ムシ 御容体申分ナシ 小西氏ノ来診ハ一昨々日以来隔日ノ事トナリ今日ハ来ラレヌ日ナリ 本日ハ午前善兵衛虎ノ絵ノ掛物借用ノ為メ来リシノミ終日客ナシ 午後順聖公ノ御肖像画写真ノ直シヲ為シタリ 夜ハ書生等ト先月中ノ諸入費ノ計算ヲナシ後チ諸子ト雑談 十一時ニ至リ寝室ニ入ル ○雑費ハ四月分金389.00円也 先月分ニ比シ40yenヲ減ジタリ 篠塚氏名前ニテ箱根武蔵屋ヘ石内ノ様子調査ヲ依頼セリ 岩佐恩順師ヨリ見舞状到来ス 感心セリ 中井ヨリ母上御病気ノ事ヲ伝聞シタル由ナリ 弥ヨ昨日ヲ以テ全ク九連城ヲ陥レタルヨシナリ

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