本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1890(明治23) 年6月13日

 六月十三日附 グレー発信 父宛 葉書 (前略)私事大元気にて未だニ田舍ニ滞在致居勉強仕候間御休神被下度候 此の四五日ハ雨天にて外にて勉強出来兼候間内にての趣向一つ即ち(読書図)をかき始め申候 愉快此事ニ御座候 之レも一寸大きな者故全く出来上る迄ハ一月位ハ少なくもかゝり可申と奉存候 手本も一週間の内四日位朝三時間午後四時間半か五時間位づゝ雇ひ勉強仕候 早々 頓首 父上様  清輝  御自愛専要奉祈候

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