六月十九日附 グレー発信 母宛 封書 いつもおかわりなくおげんきさまのはづおんめでたくぞんじあげまいらせ候 わたくしこともいつもいつもげんきでべんきよういたしてをりますからどうぞどうぞごあんしんくださいまし このごろハもうほんのなつニなりましたようですけれどもこちらハそんなにあついことハございませんよ わたしハこゝのいなかでこのなつハくらすつもりでございますよ せつかくおゝきなゑを二つほどかきかけてをりますからぜひこれだけハかきとろうとおもひますよ そのかきかけてをりますゑといふのハひとつハこないだ父上様にあげますてがみのなかニかきておきましたのです もうひとつのハうちのなかでおんながほんをよんでをるところです これハうちのなかのゑですからあめがふつてもかくことができます てほんをやとうぜにもぱりすとするとよほどおやすうございますからしやわせでございます このごろハあさの九じから十二じまでとおひるごハ二じはんから七じはんまでてほんをやとつてべんきようをいたしますよ なかなかおもしろいことでございます いまかきかけてをりますこの二まいのゑをかきとつたならぱりすへかへつていつてかきかけてをきましたゑにまたとりかゝろうとおもつてをります そちらでハまたおとうぢにでもいらつしやるだろうとぞんじますよ わたしはことしはたびなんどハおやめです まづこれぎり めでたくかしこ 母上様 新太 せつかくおからだをたいせつになさいまし
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四月四日 金 曇 午後二時頃ヨリ御写真場ヘ出仕シ御写真ノ見本ヲ選定シ寮頭ノ都合ヲ待合セテ之レヲ提出セリ