二月八日 土 (京都日記) 朝未だ起きぬ内ニ旦那さんと云て這入て来る者有り 寝床の前のまくをあけて見れバ幾代也 そこで寝床を出た 只遊ニ来たと云ものゝ実ハ芝居行をねだるが目的と知られたり 昼めし後お栄が三代子を連れて来てから帰つて行つた 午後三以子とおうのを手本ニ仕事をした 中村も来て木炭画を勉強す 松原も脇から木炭をやらかす 五時頃ニ三代子ハ大津の母が病気だと云て内から呼ニ来て帰る 仕事が丁度すんだ時ニ山科の吉川君がやつて来た 今日ハお栄がすしを持て来て呉れたので其お開をして皆で食た ぐつぐつ話をし八時頃ニ為つてから内を出て四条のかきめしニ行く 松原ハ□(原文不明)町内の寄合とかで一人何処かへ出懸た めし屋を出たのハ十一時頃 お栄ハ帰り吉川君ニハ京極の角で別れ中村と打明けた話などして二条迄散歩 帰り道ニ三条で別れた
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三月十一日 金 面会 高津 八條 島田 坂井 荻原 夜文相