七月二十六日 火曜 (ベルギー・オランダ紀行) 今朝十時頃ニ起キ宿屋の煙草部屋で日本へ出ス手紙ヲ書く それからぶら付 博物館ヲも見ル 三時頃ニ相場会所のわきのDubois屋で冷肉の鷄ト干豚ヲ食て昼めしヲごまかす 其レから和郎の内へお見舞ス 和郎出来る 皆さんお留守との事也 和郎の妹さんの内ニ名札置ニ行タ 松方の処ニ帰る 和郎六時頃ニやつて来た 又久米ト田中の田舍にめし食ニ行く 食後皆と一緒ニ散歩シ又御酒ヲ頂く 十時頃ニ武律悉ニ帰ル 松方氏の内の奴等と話などし又西洋汁粉の御馳走ニ為ル 今夜ハ此処(松方氏宅)ニ御厄介
続きを読む »
本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
七月三十日 火 晴 午後八時頃雷鳴 正木氏紹介ノ海国少年社主河合秋平氏来訪(夜面会) 岡ヨリ研究所ノ報告ヲ受ケ地代ヲ渡ス