本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1891(明治24) 年11月27日

 十一月二十七日附 グレー発信 母宛 封書 (前略)わたくしことハいつもあいかはらずだいげんきにてべんきようをいたしてをりますからどうぞどうぞごあんしんくださいまし このごろハらいねんのきようしんくわいニだすゑをせつかくかいてをります らいねんもことしのようニうけとられるようニなればよいがとせつかくほねををつてをります らいげつの十日ごろニはぱりすニでかけましてらいげつ一ぱいハぱりすでべんきようをしようかともおもつてをります それといふのもいまぱりすニをいでなさるみやさんがらいげつの二十日ごろニおたちなさるはづにてそのおたちまへニひとつおかほをかきませうといふやくそくニなつてをりますからのことです ほんとうニとしますかどうだかまだしれません そのみやさんのおつきにはやさきといふかごしまのひとがをりましてちかしくしてくれます たびたびめしなんどもくひニいきます(後略) 母上様  新太拝

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