本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1891(明治24) 年9月11日

 九月十一日 (ブレハ紀行) 朝九時半か十時頃別仕立の馬車ニて立つ 十二時ニ Painpol ニ着 Hôtel Gicguel(chez Le guévellon)で昼めし 二時ニ立ち Larcouest ニ三時頃着 渡し舟ニ乗り Bréhat 島ニ渡る Hôtel Central と極む 四時半頃(以下欠)

1891(明治24) 年

 九月十一日附 ポルトリユ発信 父宛 封書 御全家御揃益御安康の筈奉大賀候 次ニ私事一昨夜十時半の気車にて河北 久米の両氏と共々巴里出立昨日午後五時頃此のポルトリユと申海浜ニ着一泊仕候 今朝先づ此処よりパンポルと云処迄行き其処より小舟にてブレハと云小島へ渡り其島ニ少しく滞在景色など試みる積ニ御座候 早々 頓首 父上様  清輝拝  御自愛専要奉祈候

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