1904(明治37) 年6月5日 Sunday


六月五日 日曜 晴

今日は八十度以上の暑さになる。午後東洋写真会品評会の審査を頼まれて御苦労様に向島の札幌ビールまで出掛けてくだらない出品で大に馬鹿を見る。正木に会したので共に堀切の昌蒲見に転輪す。花は大した事はないが人の出は盛んだ。碧眼連も多く見受ける。それから千住の方に向はんとして途中正木の前輪破裂応急手当てに汗をこぼす。「瓶あり」の辺から水戸街道に出で六時半過帰宅。小代高島次に佐野も来会、大に景気がわるい。ペルト二枚以上に及ぶ。

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「1904/06/05 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/871421.html(閲覧日 2024-05-10)

同日の「黒田清輝日記」より
 六月五日 日 晴 暑
 午後四時頃小西氏来診 別ニ異状ナシトノ事也 水腫ノ点モ昨日ニ同ジ 明日橋本博士来診ノ筈 午前仲省吾 吉川一三ノ両君来訪 午後ノ客ハ須山雄五郎君其他見舞トシテ大迫経安君 黒田精二君 但シ黒田氏ハ玄関マデ 又姉上 満子ヲ連レテ御来訪 夜食後照 増同伴八時半ヨリ銀座ヘ行ク 紅茶碗 アイスクリーム製造器 ビールコップ等ノ買物ヲナシ十一時頃帰宅 往復共街鉄利用 帰路電車中ニテ龍居頼三氏及ビ中村勝麿氏ニ遇フ 又紀州屋敷跡ノ玉突屋ニ北川ヲ見掛ケ一寸立寄リ話ス 同氏ハ近頃一番町六番地ニ住スル由ナリ
六月五日 日 晴 暑