1904(明治37) 年6月12日

敦翁は六時に引揚け佐野は是から役所のお勤をするといつて、七時半朝食を済まして後退出し、跡は竹沢と二人寝話しをしながら一睡。此間に戦場に出陣して闘つて負傷をした不思議な夢を見た。昼飯後三河台を竹沢と共に尋ね夕方まで話す。夫から三人で外出し飯倉の野田岩にて久し振に食す。高島大人我々を追ふて来り帰りに又々立寄りて十一時頃までやつたが不相変大景気なるは小石川であつた。 〔欄外に「旅順戦況見物人を乗せたる満州丸本日横須賀解纜」〕

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