十二月十五日 木 霧雨日より也 少しなまぬくし 朝一時間程菊の花ヲ論ず 昼後ハ一時半頃から霜菜と鞠ヲ研究 和郎一寸と来たが又ムールニ遊ニ行くと云て出て行て仕舞た 夕方例の如く和郎が来た 奴と一緒ニ宿屋ニ行て宿屋の婆娘 次男ナドと酒など飲ながら笑ヒ話ヲす 和郎がお雪先生の写真ヲ一枚オレニ呉れた 夜食後美陽家ニ行き八時頃ニ和郎の処ニ行ク 下女お竹をお酌と云次第で昨夜の如クぬくめた葡萄酒ヲ飲む 九時ニ内ヘ帰る 今朝貧ニ端書でおそくも来る日曜ニハ出懸て行と云てやつた
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本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
七月四日 月 晴 (欄外 松竹連 調度 御写真部 総理官邸 瓢家 小笠原伯 青木子 水野子)