本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1887(明治20) 年7月8日

 七月八日附 パリ発信 父宛 封書 (前略)先日公使館ニテ承リ候処御尊公様ニも今般華族ニ相成リ被成候由御目出度御歓申上候 公使館などにて黒田が華族の子になつたりなどゝ馬鹿にさるゝ事ニ御座候 海江田様にも至而御壮健 先日より私教師元老院議官カゾ氏に頼み仏国ノ法律ニ付テノ話ヲ御聴なさる事ニテ私わからぬながら通弁致し居候 毎日講義一時間づゝ有之候事故海江田様には随分御難儀御退屈と奉存上候(後略) 父上様 清輝拝

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