八月二十四日附 ブランケンベルク発信 母宛 封書 (前略)わたしハやつぱりべるじつくと申くにのぶらんけんべるくといふうみばたのばんはるとらんさんのうちにやつかいになつてをりましてまいにちこのきんじよのいなかにゆくやらまたこゝのうちのおゝきなむすめさんとゑをかいたりしてあそんでをります まことにおもしろいことでございます わたしがこゝにまいりましてからもう二しゆうかんのよになりました もういゝかげんにハぱりすにかへつていこうとおもいます こゝのうちのひとハみんなしんせつなよいひとたちですからいつまでもをりたいようなこゝろもちがいたします こないだまでおらんだのこうしをしておいでなさつたなかむらさんのむすこのじろうといふひともやつぱりこゝのうちにをります このひとはことし十五ばかりです まいにち一しよにあそびます(後略) 母上様 新太より
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四月二十六日 土 晴 夕刻新入邸ノ少年二人ニテ初メテ庭ニ水ヲ撒ク 夜仲君及ビ兼清来ル