1905(明治38) 年1月29日 Sunday


一月二十九日 晴

午前会員流用金の調査をした。午後二時過き佐野が来て共に小代の病気見舞に行つた処が丁度小泉翁がやつて来て居る。夫から一緒になつて此頃発見された赤羽橋先きのてんぷらを喰ひに行く。こまも同道した。坐敷は一寸いゝが大して甘くはない。飯を待たされて大閉口夫から門先に出ると例の目まいが始まり通りかゝりの人力をつかまへてやつと無事に帰宅した。間もなく二人も来て始まつた。佐野が大景気遂に二時過に及んだ。

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「1905/01/29 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/872561.html(閲覧日 2024-05-05)