七月二十八日附 ディナン発信 父宛 絵葉書 本日午後四時頃の気車ニテ久米氏ト共ニブリユクセル府出発此の地南ト申邑ニ参り候 今夜ハ此処ニ一泊明朝ハ彼の普仏戦争ニテ有名ナルセダンヲ見物仕明後日頃帰巴の積ニ御座候 此の地南ハ温泉ハ無之候得共先ヅ一寸日本ニて申さバ箱根の湯本の如き処ニ御座候 箱根細工の如きものなども処々の店先ニならべ有之候 以上 清輝拝
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本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
五月二日 水 晴 午前十時頃中條君入来 笄邸建築費ノ内金九百円払ヒ渡ス 午後一時ヨリ御写真工場ニ出仕シ両皇子殿下ノ御写真ヲ修整ス