本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1916(大正5) 年12月6日

 十二月六日 水 曇 今朝山口女史ヨリノ手紙到来 古蘭先生ノ御葬儀ノ模様ヲ知ルヲ得タリ 午前十一時頃本田貞介君 坂井義三郎君来ル 本田氏ハ谷口子ノ件 坂井氏ハ原稿ノ件也 是等ノ為手間ヲ取リ女学部ニ到リタルモ視察出来ズ 午後一時前再ビ登校セリ 二時頃退出ノ時門前ニテ院長ニ逢ヘリ 三時過ヨリ隈川博士ノ背景部ヲ修正シ後チ少シク南洲翁ヲ描ク 夜近清君ト十一時過マデ語ル 本日上原大将ヨリ石膏像着色ニ付電話ヲ受ケタリ (欄外 在巴里山口津賀女信書到達十月二十四日附)

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