本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1916(大正5) 年5月5日

 五月五日 金 晴 (鎌倉) 例ノ如ク九時十七分発出京 但シ本日ハ照子ヲ伴ヘリ 同人ハ新橋ニテ下車ス 授業ヲ終リテ問題ノ分担案ニ付相談ヲ掛ケタルニ案ノ如ク故障起リタレバ宿題トセリ 午後一時過食堂ニ入リテ急ギ一皿ヲ食シ主任会議ニ出席ス 大村君辞意ヲ述 校長ヨリ総則ニ付注意ヲ与ヘラル 四時中座ス 又大村君ヨリ一ノ新事実ヲ伝聞セリ 夫レヨリ自動車ニテ帰宅 待受タル大信田ニ仕立直ヲ命ジ五時頃番町早川邸ニ到リ珍什ヲ観馳走ニ預ル 十時半新橋発又照子同道帰鎌ノ途ニ就ケリ

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