本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1912(明治45 / 大正1) 年6月8日

 六月八日 土 曇 (駿河) 三越藤村氏及パンテオン会幹事宛電報ヲ発シ出席ヲ断ル(パ会ハ今晩三越 玉川鮎漁ハ明日ノ筈) 午後三時過ヨリ舟ニテ三保見物ニ出掛ケ七時帰着ス 船頭ハ七十ノ老人ト其孫ナル二十歳位ノ若者ト二人ナリ 海上少シモ波立タズ 往復共真ニ心地好キ航海ナリケリ 又此老漁夫ヨリ面白キ話ヲ色々聴キタリ

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