八月二十四日附 ブランケンベルク発信 母宛 封書 (前略)わたしハやつぱりべるじつくと申くにのぶらんけんべるくといふうみばたのばんはるとらんさんのうちにやつかいになつてをりましてまいにちこのきんじよのいなかにゆくやらまたこゝのうちのおゝきなむすめさんとゑをかいたりしてあそんでをります まことにおもしろいことでございます わたしがこゝにまいりましてからもう二しゆうかんのよになりました もういゝかげんにハぱりすにかへつていこうとおもいます こゝのうちのひとハみんなしんせつなよいひとたちですからいつまでもをりたいようなこゝろもちがいたします こないだまでおらんだのこうしをしておいでなさつたなかむらさんのむすこのじろうといふひともやつぱりこゝのうちにをります このひとはことし十五ばかりです まいにち一しよにあそびます(後略) 母上様 新太より
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十月十八日 金 (欄外 流行感冒 登校 研究所紀念会)