本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1917(大正6) 年6月26日

 六月二十六日 火 晴 宮内省ヨリ御用召ニ依リ午前十時半出頭シ調度寮嘱託トシテ金三五〇円又別ニ子爵トシテ金一五〇円拝受ス 今年ハ特ニ御手厚キ御扱ニ預ル 十二時前帰邸セリ 午後二時過女学部ノ石原氏木挽ヲ連レ来リテ奉納額用ノ杉板挽割ノ事ヲ取計ラハル 此事一切ヲ同氏ニ依頼ス 今朝宮内省ニテ出遇ヒタル三浦博士約束ヲ違ヘズ五時過ニ見エタレバ書キ直シノ肖像ヲモ見セ膝ノ診察ヲ受ク 之ガ為ニ日仏協会ノ石井 安達両氏ノ送別ノ宴ニハ一時間許遅レテ六時半頃出席セリ 此ノ晩餐会ハ帝国ホテルニテ催サレタリ

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