1912（明治45 / 大正1） 年3月3日
三月三日 日 五時ノ直行ニテ鎌倉ヘ赴ク 家屋代三五〇円ヲ払ヒ渡ス
本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
1912（明治45 / 大正1） 年3月7日
三月七日 木 借入地ノ工事ニ着手ス
1912（明治45 / 大正1） 年3月9日
三月九日 土 夕六時六分ノ汽車ニテ一同帰京 夜仲省吾君来リ十二時迄語ル
1912（明治45 / 大正1） 年3月10日
三月十日 日 午後笄町ヘ行ク 父上御不在ナリ 三時四十分仲君ヲ新橋停車場ニ送ル
1912（明治45 / 大正1） 年3月11日
三月十一日 月 午後笄町ノ西洋家具買ノ為メ三越ヘ出向ク（静子殿同伴） 帰途肖像画ノ件ニ付河島家ニ立チ寄ル 夜岡野 荻原ノ二氏来訪
1912（明治45 / 大正1） 年3月13日
三月十三日 水 今年ニナリテノ初雪 女学部出勤
1912（明治45 / 大正1） 年3月14日
三月十四日 木 高商 午後五時ヨリ築地精養軒ニテ与倉氏ノ送別会アリ 同氏ハ病気ニテ来ラズ
1912（明治45 / 大正1） 年3月15日
三月十五日 金 午前十時上野勤業展覧会 午後直チニ鑑査ニ着手ス
1912（明治45 / 大正1） 年3月16日
三月十六日 土 朝鮮ヨリ画料到着 朝十時頃都築君ヨリ相談ヲ受タリトテ福原氏来ル 此序ニ本田翁ノ履歴書ヲ渡ス 二時頃昨日始メタ鑑査ヲ終ヘ上野精養軒ニテ食事ヲナシ三越ヘ行ク（笄町ノ卓子ヲ選ベリ） 巴里和田ヨリ書物二タ包届ク 和田君ヘ二〇〇円用立 夕四時ヨリ於新富座曾我ノ屋ヲ観ル
1912（明治45 / 大正1） 年3月18日
三月十八日 月 夜荻原君招待有楽座京山小円浪華節
1912（明治45 / 大正1） 年3月19日
三月十九日 火 美術学校競技成績調査 夜有楽座
1912（明治45 / 大正1） 年3月20日
三月二十日 水 今夜亦有楽座
1912（明治45 / 大正1） 年3月23日
三月二十三日 土 巴里和田ヨリ書物届ク ―Les peintres futuristes italiens ―L’art décoratif （No du salon d’Automne de 1911） ―Bulletin de la Société des Amis des Monuments Parisiens lliéme Vol.1897 ―Annuaire de 1907 de la Société d’encouragement à l’art et à l’ind. ―Congrès internat. de la propriété artistique（en 1887） ―Traité pratique de la voirie à Paris édit.1879
1912（明治45 / 大正1） 年3月24日
三月二十四日 日 午後赤十字社病院ニ大久保大将ヲ訪フ 亦笄町ヘ行ク
1912（明治45 / 大正1） 年3月25日
三月二十五日 月 午後四時ヨリ三越写真審査会 女学部ニテ昼食 中村君菊苗持参 直チニ植付ヲナス
1912（明治45 / 大正1） 年3月26日
三月二十六日 火 花壇ノ画ヲ始ム 江崎君ヨリ独逸ノ白樺ノ事ニテ電話 草花ノ種蒔ヲナス
1912（明治45 / 大正1） 年3月27日
三月二十七日 水 荻原氏ヲ案内者トシテ本郷座ニテ壮士芝居ヲ観ル
1912（明治45 / 大正1） 年3月28日
三月二十八日 木 午後二時過岡田 藤島ノ二氏来訪 一昨年技芸員任命ノ祝賀ノ紀念品トシテ父上様御銅像及同木彫模型ヲ受ク
1912（明治45 / 大正1） 年3月29日
三月二十九日 金 有田四郎南洋土産ノ蘭二株ヲ受取ル 午後一時半美術学校卒業式 引続キ精養軒ニテ洋画科卒業生謝恩会催サレタリ 田所氏依頼ノ山内侯写真二枚ヲ校長ヨリ受取ル
1912（明治45 / 大正1） 年3月30日
三月三十日 土 曇 午前女学部卒業式 七年勤メタル女中鉄事本日暇ヲ取リ午前八時過四谷発ノ汽車ニテ信州松本ヘ帰ル