本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1903(明治36) 年7月19日

 七月十九日 日 晴 (関西出張日記) 種頭痛烈シキ為終日床ニ在リ 氷嚢ニテ脳ヲ冷ヤス 然シ下痢ノ方ハ殆ンド癒タルガ如シ 吾ハ今午前二時限ニ下痢ハ止ミ頭痛ハ起ラズ 但シ少シク熱有ル如クニテ食欲進マズ 安藤来訪 昼飯ニ留メタリ 午後安藤ノ世話ニテ医師臼井某ヲ聘シ二人共診察ヲ乞ヒタリ 又堀江ノ妻君長女ヲ連レテ来訪セラル 種病苦ノ中ニテ談話不叶不都合ナリシ 夜安藤再ビ来ル

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