本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1902(明治35) 年2月22日

 二月二十二日 土 自転車旅行の催有り 午後一時を期し品川停車場前の茶見世に会す 来る者久米 佐野 菊地 小代 中丸 小林 合田及拙者の八人也 旧東海道筋を走り横浜を経杉田に到る 此処にて月の出を眺め山を越え金沢東屋ニ一泊

1902(明治35) 年2月23日

 二月二十三日 日 今日も天気よく至て暖か也 十一時頃金沢を発し十二時頃逗子に着 養神亭別荘に休み夫れより鎌倉ニ行き角正にて昼飯 三時前同処を立出つ 戸塚近くなり自転車破損 小 菊の二人と汽車にて帰る(五時二分発)

to page top