1905(明治38) 年4月16日 Sunday


四月十六日 曇

九時から自転車で目黒に行く。小供等は花見に出掛る処であつた。マヽンの語は少々耳障りであつたが是も一種の運命と思はなければ仕方がない。父上は昼後から湯島に演説に出掛けるとの事であつた。九鉄株の話で得意の実験談が始まる。十一時に退出帰りに十番で豚肉を買入れて帰宅す。午後は月報原稿の執筆で丸潰れお負けに山口亮一が来て暫らく暇を取られた。こまは今日花見をするつもりで菊坂の山口の方に朝から出掛けてすかを喰ひ大不平で昼後三時頃に帰つて来た。

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例)「1905/04/16 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/872861.html(閲覧日 2024-05-19)