1905(明治38) 年2月20日 Monday


二月二十日 朝雪午後晴 夜来の降雪にて四五寸積り猶盛に降りて居る

月曜八時半の始りなれば二人曳の車にて出掛る。間もなく雪は歇みて日光かゝやき心地よき天気となる。帰りは電車にて一時半頃帰宅入浴。夜八時過徳田の妻来、次女が本郷の梅月という菓子屋に嫁入つた故祝ひの品を贈つた礼に来たのである。同人の話に静岡では旅順の俘虜将校が来て金が落ちるとの事、殊に写真屋大繁昌で是までこんな金のはいつた事はないという次第で全く露国万歳を唱へる様子である。おゑつさん今夜は泊る。

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例)「1905/02/20 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/872671.html(閲覧日 2024-05-03)